フィラリア症は予防が最重要!駆虫薬の種類と正しい使い方を解説
はじめに
みなさんこんにちは!
前回の記事では、フィラリア症の検査方法について解説しました。
まずは前回の内容の振り返りからです!
前回の振り返り
☑️ フィラリア症は初期症状が少なく、進行すると心不全や呼吸困難を引き起こす寄生虫病である。
☑️ 検査方法には、①抗原検査 ②ミクロフィラリア検査 ③画像診断(X線・超音波)などがある。
☑️ 抗原検査は最も一般的な検査で、主にメスのフィラリア成虫の抗原を検出する。
☑️ ミクロフィラリア検査が陰性でも感染を完全に否定できるわけではないため、複数の検査を組み合わせることが推奨される。
思い出しましたか?
フィラリア症は初期に症状が出にくいため、定期的な検査が非常に重要です。
しかし、最も大切なのは「 予防を徹底すること 」。
フィラリア症は、適切な予防を行えば防げる病気です。
では、具体的にどのような予防方法があるのでしょうか?
そんなわけで今回は
フィラリアの予防薬
について詳しく解説します。
解説|フィラリア症の予防方法
① フィラリア予防の基本
フィラリア症の予防は、「蚊に刺される前ではなく、刺された後の感染を防ぐ」ことが目的です。
フィラリア予防薬は、体内に侵入した幼虫(L3→L4期)を駆除する駆虫薬であり、蚊の忌避効果はありません。
- 予防期間: 蚊の活動期間中+1か月後まで(例:日本では4月〜12月)
- 投与タイミング: 毎月1回(錠剤・チュアブル・スポット)、または1年に1回(注射)
参考: American Heartworm Society(AHS)「Prevention Guidelines」
② フィラリア予防薬の種類と特徴
1. 経口薬(錠剤・チュアブルタイプ)
- 代表的な成分: イベルメクチン、ミルベマイシンオキシム
- 特徴:
- 嗜好性の高いチュアブルタイプが多く、犬が食べやすい
- 毎月1回の投与が必要
- 消化器疾患のある犬には注意が必要
🐾 具体的な製品紹介
ネクスガードスペクトラ
→フィラリア予防に加え、ノミ・マダニ・回虫などの駆除も可能なおやつタイプネクスガードスペクトラ。
引用: https://animal-health.boehringer-ingelheim.jp/pet-owner/products/nexgard-spectraキウォフハート
→最安値でコスパが良い。回虫・鉤虫・鞭虫の駆除も可能。
2. スポットオン(滴下タイプ)
- 代表的な成分: セラメクチン、モキシデクチン
- 特徴:
- 皮膚に滴下するため、経口投与が難しい犬向き
- ノミ・マダニの駆除効果がある製品も
- シャンプーや水遊びに注意(成分が流れる可能性)
🐾 具体的な製品紹介
レボスポット
→ 滴下タイプでフィラリア予防とノミ・耳ダニの駆除が可能。レボスポット。
引用: https://pet-kusuri.shop/detail.php?pid=1236
3. 注射タイプ(年1回投与)
- 代表的な成分: モキシデクチン
- 特徴:
- 一度の接種で約1年間予防できる
- 投与忘れのリスクがない
- 稀にアレルギー反応が出ることがあるため注意
🐾 具体的な製品紹介
プロハート12
→ 1回の注射で1年間効果が持続。投薬忘れの心配がなく便利。プロハート12。
引用: https://www2.zoetis.jp/proheart/#%E5%8F%82%E8%80%83%E6%96%87%E7%8C%AE
参考: Companion Animal Parasite Council(CAPC)「Heartworm Prevention」
③ 予防薬を使用する際の注意点
- 投与前に必ず検査を受ける(感染犬に投与すると副作用のリスク)
- 決められた間隔で投与する(投与間隔が空くと感染リスクが高まる)
- 犬の体重に合った適切な量を使用する
フィラリア予防薬比較表
タイプ 投与頻度 主な成分 メリット デメリット 経口薬
(錠剤・チュアブル)毎月1回 イベルメクチン
ミルベマイシンオキシム食べやすい味付け確実に摂取できる毎月投与の手間消化器疾患に注意スポットオン
(滴下タイプ)毎月1回 セラメクチン
モキシデクチン飲み込み困難な犬に適するノミ・マダニ効果も水遊びに制限毎月投与の手間注射タイプ 年1回 モキシデクチン 年1回で済む投与忘れのリスクなしアレルギーリスク獣医での投与が必要
結局どれを選べばいい?
〜個人的な感想〜

飼い主

毎月の投与は面倒に感じるかもしれませんが、副作用が起きた時にすぐに中止ができるメリットがでかいです。プロハートのようなものは一度投与してしまうと辞めることができませんからね。
また、有効性もこちらの方が高く、企業の担保があるため安心して使用できます。
使う場合はノミ、ダニも予防できるオールインワンのものを服用するとさらに安心でしょう。
ただし…その分お値段もそこそこしますし、先ほど言った副作用の件もあります。
使用の際は必ず獣医師と相談して決めるようにしましょう!
参考文献
American Heartworm Society「Prevention Guidelines」
Companion Animal Parasite Council「Heartworm Prevention」
獣医寄生虫学(文永堂出版)
復習問題
それでは問題を解いてみましょう!
クイズを読み込んでいます...
おわりに|犬のフィラリア症のすべてを理解し、愛犬を守るために
各部の要点
第1部では、「フィラリア症とは何か?」を学び、症状や感染経路について理解しました。フィラリア症は、蚊を媒介する寄生虫病であり、放置すると心不全や呼吸困難を引き起こし、命に関わる病気です。
第2部では、フィラリア症の検査方法 について解説しました。抗原検査、ミクロフィラリア検査、画像診断(X線・超音波)など、複数の検査を組み合わせることで、感染の有無や進行度を正確に把握できることを学びました。
そして第3部では、最も重要な「フィラリア症の予防方法」について説明しました。予防薬には経口薬・スポットオン・注射などがあり、毎月の投与または年1回の注射で確実に予防ができます。
予防のポイント
フィラリア症は、適切な予防を行えば100%防ぐことができる病気です。
これらを守ることで、愛犬をフィラリア症から確実に守ることができます。
フィラリア症は「知っていれば防げる病気」です。この記事を通じて、愛犬の健康を守るための知識を深めていただけたなら幸いです。ぜひ、獣医師と相談しながら、最適な予防プランを立てていきましょう!
最後まで見ていただきありがとうございました!
YouTube、Xでも情報発信していますので、よければこちらもよろしくお願いします!
・YouTubeチャンネル
・Xアカウント
・今回ご紹介する商品
・関連記事
・良ければこちらもクリックお願いします↓